山下政治経済研究所

BILL

山下政治の政治、経済、歴史情報を発信します。
はたして「山下政治の経済研究所」なのか「山下の政治経済研究所」なのか?

自然エネルギー

2025.02.18

2024年9月3日にブログ「エネエルギーは好奇心」で「メガソーラーをぶっ潰せ」というブログを書いた。太陽光発電を推進する政府に対する内容だった。今回は太陽光発電だけでなく自然エネルギーについていかに馬鹿げているのかを書いてみる。

太陽光発電、風力発電、水力発電、地熱発電など自然エネルギーによる電力がSDGsの話題とともに盛り上がっている。SDGsとはSustainable Development Goalsの頭文字を取った造語で、2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された,2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標なのだが、その内容は理解できない。要するにこのような花火をあげて税金の使い道を模索するためのものである、とボクは結論つけている。
 

現在見つかっている日本列島最古の土器は縄文時代の1万6千年ほど前のもので、土器は火を使って料理するためのものだ、と聞いている。既に火というエネルギーを使って日本列島では、人が生活していたのである。以降人類はエネルギーを使いこなし生活水準を向上してきた歴史がある。
電力を作るためには石炭、石油、天然ガス等の化石燃料が主流であるがのちに原子力による発電技術が構築され、さらに近年太陽光などを利用した自然エネルギーによる発電も大きなエネルギー源の位置付けにされている。

元環境大臣であった小泉進次郎氏は温室効果ガス排出削減のため再生可能(自然)エネルギーの比率を上げようと躍起になっていた。しかし自然エネルギーによる影響を考えていたのだろうか?極端なことを言うと、世界中を太陽光発電パネルで敷き詰めるとどうなるのか?太陽光が吸収されて太陽のエネルギーが地球に注がれず溶解しているマグマが凝固し地球の自転が停止する。風力発電では風はプロペラに吸収され風下では風がなくなり森林等の自然形態が変化する。水力発電はダムにより川を堰き止めるため川の流れが無くなり周辺の森林の葉は流れず葉が腐り、魚がいなくなりこれも自然形態を変化させる。地熱発電は地熱=マグマを使うためこれもマグマの温度を下げる。繰り返すが極端な例を述べた。しかし原発1基分(100万キロワット)と同等の太陽光発電を設備するとなると山手線内いっぱいにソーラーパネルを敷き詰めることになるのである。極端な例を述べたが満更でもない。これらの自然エネルギーで電力を賄うようなことを打ち出していたが地球からのしっぺ返しが来ることを考えていたのだろうか。

日本人は太古の昔から稲作をはじめとした農耕や魚漁などを通じて自然と関わりながら生活をしてきた。自然の恵みにあやかりながらも台風や日照り、地震、津波などの脅威にも晒されていることで人々はこのような自然現象に神を感じている。また山や岩、大木、滝など自然物にも神を感じ祀っている。自然界や自然現象を司る神はその数と種類の多さから「八百万の神」として崇拝てきたのが日本人だ。

地球にやさしく持続可能な社会をつくろう、との音頭の下SDGsが盛り上がっているが「地球にやさしく」などと人間如きが大自然に対して痴がましいにもほどがある、というのがボクの考えだ。必ず祟りが来ることは火を見るよりも明らかだ。
 
日本はエネルギー資源がないため太陽光を利用した発電はシャープが60年前から始めたが結局は電気変換効率が低く実用的には計算機の電源になるくらいであることはすでにわかっている。筆者は太陽光発電用のシリコンインゴット製造を2008年にベトナムで始めたが2011年に製造を廃止した。シリコンを溶解するための電力量とソーラーパネル加工費用のコストを計算すると1kwの電力を作るのに40円ほどがかかる。日本の火力発電は世界から比較すると高価であるが1kwの電気代はおよそ12円ほどだ。太陽光発電を推進するためにこの差額は納税者が負担することになる訳である。
 
米国のコンペティティブ・エンタープライズ研究所の2021年7月のレポートでは、「太陽光発電や風力発電には補助金を出さなければ経済的に成り立たず、自然エネルギーは他のエネルギー源に対して不公平な立場にある[1]」と指摘している。また自然エネルギーは「人間の技術力の素晴らしさを示す一方で、気象の性質上、信頼できる安価なエネルギー源を提供することができない[1]。」気まぐれな天気によって発電するため安定電源にはならないのである。そして「ベースロード電力は温室効果ガスゼロの原子力発電にするべき[1]」と同レポートでは言っている。
 
前述のように日本はエネルギー資源がないため石油や天然ガスはほとんどを中東に依存しており長い道のりを経て日本までタンカー輸送しているのである。日本においては原子力発電をベースロードに考える必要がある。同研究所では「福島第一原発のメルトダウンは、地震ではなく津波によって(予備電源の水没により)引き起こされたものであり(その対策を行なっていればメルトダウンは起こらなかった)[1]。」と分析しており日本の原発の安全性を評価している。
 
「太陽光発電や風力発電への補助金は、原子力発電を市場から排除してきた。わが国の原子力発電能力を守るためには、補助金を止めなければならない。世界は常に天候や地質に左右されないエネルギー源を必要としており、原子力はゼロエミッションでベースロード需要を満たすことができる唯一の電源なのだ。[1]」と締め括っている。
 
温室効果ガス削減のために自然エネルギーを推進することは納税者への負担と気まぐれな天候に左右され結局は火力発電のバックアップが必要になる構図のため経済的利用価値はないことに気が付くべきである。同時に原子力発電技術を磨き、高速増殖炉を稼働させ核燃料のリサイクルによりクリーンで持続可能エネルギーを得ることこそ日本が今後エネルギー問題を解決する政策だと筆者は考える。日本はもの作りの国であり電力は不足することはあっても有り余ることはない。日本は資源がないため石油は言い値で購入する。日本が独自で真の持続可能エネルギーを得る時、産油国とその利権を得ている諸国からの圧力があることは十分承知している。その圧力に対抗するためには政治・経済・軍事がバランスした富国強兵ニッポンが必要である。

 

 [参考文献]
[1] Competitive Enterprise Institute July 5, 2021. Nuclear power vs. renewable subsidies

 
 
 

TOPICS

HOME > 山下政治経済研究所 > 自然エネルギー
このページのトップへ