山下政治経済研究所

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日本の核武装

2020.01.06

先の大戦、大東亜戦争では米軍の2度に渡る核攻撃により日本は終戦を迎えた。以来70余年日本国民は核についてはアレルギー反応を起こすまでに怯えている。もはや核武装について議論することもできない。現在核弾頭を持つことを認められている国は米国、英国、ロシア、フランス、チャイナの5カ国である。その他インド、パキスタンは保有しイスラエルは持っているかも状態で北朝鮮は昨今のニュースの通りである。

最初にボクの意見として賛否・二者択一でどちらかに○をつけろというのであれば賛成である。

核実験を除き戦争において日本は唯一の被爆国である。従って我が日本こそ核を持てる国家であることは確かなことであるのだが戦後のWGIPによりそのような考えをすること自体忌まわしいとされてきた。

核兵器に関しては、そもそも日本は米国の核兵器の傘によって国を守るまたは他国を威嚇することになっていて日本の国防対策には核は組み込まれているのである。実際に使用する戦略核と威嚇のための核恫喝がある。もちろん同じ核なのだが使い方が異なる。
現実にはバランスオブパワーを考えると戦略核によって対国間のバランスが決定される一方核は使われない兵器と言われるが核恫喝としては何度も使用されている。
朝鮮戦争時、休戦を促すためにチャイナに対して米軍が核恫喝をかけた。
ベトナム戦争時、フランス軍が撤退するときにベトコンに対して米国の撤退を援護するときに核恫喝をかけた。
中ソ紛争時、ソ連軍が核施設に向かって進撃するということでチャイナが休戦に応じた。
第4次中東戦争でイスラエルのミサイルにゴルダ・メイヤ首相が核弾頭を搭載するということをほのめかし、その恫喝によって戦争が止まりエジプト軍に惨敗するところを免れた。
等核恫喝に使われた例はたくさんある。

さて、日本の核武装についてだが20年前と今とでは日本における状況が異なっていることを認識する必要がある。北朝鮮の核が小型化できているという情報があるのであれば弾道ミサイルに搭載できる核があるとの想定をするべきである。
弾道ミサイル防衛は米国と共に進めてきたが、確実に言えることは、北朝鮮は何百発もの弾道ミサイルを日本に向けていて、何発持っているのか不明だが、それに最低一つか二つは核弾頭を搭載していると考えなければならない。また、チャイナはすでに日本に向けて5〜600発の核ミサイルが向いている。

核武装についてはNPT(核拡散防止条約)から離脱しなければならないが条約第10条で異常な事態となり日本の存立を脅かす事態となればNPTから離脱が可能である。
また矢野義昭著の「世界が隠蔽した日本の核実験成功」によると米国が把握しているデータから大戦末期の昭和20年8月12日以前に日本が核実験に成功していたとすればNPT条約上日本は核保有国となり核武装が可能となる。
日本海軍は当時戦艦大和を四隻造るところを二隻にしてその資金と資材を投入し満州・チャイナ本土・北朝鮮等のウラン鉱から核分裂鉱石を集め江南の大電力を使って精錬した。精錬のための熱拡散装置や遠心分離機は日本国内で既に完成していたという記録が残っている。

日本の核武装についてはもう一つ米国の戦略転換を考慮する必要がある。
米国は本土防衛で手がいっぱいなのである。ロシアの開発(途上?)した原子力ミサイルはどこまでもいつまでも飛べるミサイルである。チャイナの宇宙からの攻撃、北朝鮮の弾道ミサイル。これらの兵器は米国本土を狙えるものである。したがって米国は本土防衛に力を注ぐため、米軍の東アジアにおける戦略は前方戦略を止めた。そして後方に下がって遠距離の西太平洋上空から遠距離打撃をチャイナ本土に与える戦略をとった。敵は朝鮮半島ではなくチャイナである。対中戦略はあくまでも空海戦略が主で安全な西太平洋上空から日本列島を盾にチャイナ本土を叩くが、まずは日本海から太平洋に出てくるチャイナの海空軍を叩く。これが基本作戦でこの時日本海・東シナ海で潜水艦戦、機雷戦によりできるだけチャイナ軍の戦力を減らすのである。米軍は基本的には日本列島への地上兵力を送るということはない。送るとすれば特殊部隊とマルチドメインという宇宙サイバー等の先遣部隊である。
日本での実践力による日本防衛は地上部隊により日本自らがやらなければならない。期間としては数ヶ月単位の長期戦を戦い抜かなければならない。この様な前提で今や米軍の戦略は展開している。
そして日本も米軍の戦略を前提とした戦略を組み込む必要がある。
しかしここでチャイナから核恫喝をされたらどういうことになるのか?
日本は米軍に基地を提供するとかレーダー情報を提供するとした時チャイナから「米軍に協力したら核攻撃するぞ」と言われたときに耐えられるかどうか?チャイナに屈するのであればもはや日本列島は防衛ラインとして役に立たない。日本列島・台湾は自主防衛する以外に方法がない。米軍はなんとか日本列島・台湾を守るため武器・情報を与えるがこのような事態に備えるとなると米国は日本の核武装を推進せざるを得ない。
日本の核武装推進のため米国はこの時期に「世界が隠蔽した日本の核実験成功」の元となる情報を公開したと考えられる。そしてそのシナリオは…..
1)昭和20年8月12日以前に日本が核実験を成功させていた。
2)であれば既に日本は核保有国と認定される。
3)NPTから脱退せずに核武装が可能となる。
4)日本は核保有国以外で唯一ウランを濃縮することを認めらている。
5)米国は、日本は数日で核弾頭製造が可能であると判断している。
米国は「日本よ、核武装せよ。」というメッセージを送っているのである。

令和弐年1月1日

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