ブログ「燃料は好奇心」

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子供のように好奇心を持ち続ける男が綴るよもやま話。
山下政治の感性のアンテナがさまざまなものをキャッチします。

大相撲

2020.04.05

物心付いた時から大相撲は祖父と一緒に見ていた。横綱大鵬、柏戸千秋楽の決戦などリアルタイムで見ていたものだ。幼い頃は時間前の仕切りが長いな〜とはいらいらしていた。横綱大鵬は強すぎて決まり手も寄り切りとか地味な勝ち方で面白くないな〜と幼いながらも祖父に解説していたような記憶が微かにある。

小学校の頃大相撲が大好きな友人がいて大相撲の場所中は毎朝校庭の砂場で相撲をやって番付なんか作って遊んだ。小柄だったがボクは結構強くて大関まで番付を上げていた。得意はうっちゃり。土俵際までわざと追い込まれ土俵際で体をクルッと回して相手をうっちゃる。みんなこれにやられたものだ。体育の授業でも相撲をやった。背の高さ順で対戦し背の高さが前から2番目か3番目のボクは20人抜きした。クラスは大体40人以上だったので20人くらい抜くと女子との相撲となる。その頃から女性には優しかったのか、、、負けた。わざと負けたけど20人も抜いたので疲れたよという言い訳をした記憶はある。

中学生のころはなんといっても貴ノ花だ。一世を風靡した若貴兄弟の親父さんの貴ノ花。体は細く華奢だが魅力のある相撲をしていた。ライバルは輪島。大関昇進は同時だったが輪島は横綱に、貴ノ花は大関止まりだった。横綱輪島はどうも好きになれなかった。黄金の左でまわしをとると負けない輪島。全勝優勝も何度か達成している。

そんな好きなれなかった横綱輪島だが引退し随分後になってビートたけしさんとの対談を読んで一気にファンになった。正確には覚えていないけどこんな感じだった。
ビートたけし:「輪島さんって横綱審議委員が稽古見にきている時っていつも昼寝していて評判悪かったそうですね。それにあまり稽古しなかったそうで、それでよく横綱張っていられましたね。」
輪島:「稽古しないで横綱張ってられるわけないでしょ。みんなが寝静まったあと一人稽古するのよ。」
当時の横綱輪島はみんなが寝静まったころひとりで稽古していたことを打ち明けた。それ以来輪島の生き様がカッコイイと思った。

横綱輪島といえばもう一人横綱北の海。この横綱も強くてつまらなかった。どうも横綱になると相撲は強く負けないのだが面白くないと思っていた。
その後の横綱千代の富士がいるが、この横綱は強くて相撲は魅力的だった。十両から幕内に入った頃から見ていたが、最初見た時はコマのようだと感じた。体に比べまわしがコマのように見えた。しかし番付を上げるたびに体は筋肉質になり一気に関脇から大関、横綱へと昇進。そして若乃花・貴乃花とハワイ勢。大相撲の絶頂期だ。貴乃花の初優勝の時は浅草の酒呑み処でテレビ観戦し、呑み屋では大騒ぎだった。さらにモンゴル勢の台頭。

物心付いた時から観戦しているボクとしてはモンゴル勢の横綱は今のところ横綱には相応しくない。大関で二場所連続優勝もしくはそれに準ずる成績を納めれば横綱になれる基準は達しているので横綱だが。朝青龍、白鵬、日馬富士、鶴竜と4人もの横綱をモンゴルから出している。朝青龍は殺気に満ちた相撲をとり相撲に取り組む姿勢はいいのだが舐めていた感がする。土俵の上で勝利した時のリアクション、休場中にモンゴルに帰ってサッカー。横綱としては落第。白鵬は数字の上では世紀の大横綱だが立ち合いのカチ上げ、張り差しは横綱相撲ではない。確かにルール違反をしているのではないが横綱の立ち合いは相手の立ち合いをガシッと受けてそれから相撲をしなければ、ボクは横綱とは言えない。花道を引き上げるときに唾を吐くところが動画で流れたがそんな行為は許されない!日馬富士、鶴竜はもはや大関でしかないと思っている。横綱の、場所中の最低ラインは12勝3敗、そして10番勝てなければ即引退だ、と祖父が言っていたことを思い出す。日馬富士も鶴竜も横綱に昇進した場所の成績は9勝6敗。その時点でボクとしては横綱だとは認めていない。
モンゴル系横綱はサラリーマン力士なのだろう。平成31年1月に力士の給料が改定となり横綱の月給は300万円。10番勝てなくても休場してもこれだもんね。横綱は番付が落ちる事はないし。横綱である自覚や誇り、責任とかあるのかな〜?

令和2年の3月場所はチャイナ肺炎により無観客場所となった。日本相撲協会はチャイナ肺炎の感染防止のため観客を入れずに大相撲を行う決定をした。力士は毎日2度の体温測定し37.5度以上の発熱で休場、チャイナ肺炎感染が認められた時点で大相撲は中止される中、無事千秋楽弓取式まで終了した。世界中でスポーツイベントが延期もしくは中止されているが大相撲は決行した。
なぜ日本相撲協会は無観客でも大相撲を中止せず決行したのか?
元ウクライナ兼モルドバ大使である馬渕睦夫氏によれば、それは大相撲はスポーツではなく神事だからだ。今回の大相撲中継では「神送りの儀」という儀式が放送され始めてそのような儀式があることを知った。
「神送りの儀」は土俵で若手力士により新米行事が胴上げをされる儀式で、神々を送るという意味の儀式だそうだ。神々を送るということは大相撲が行われている間は神々が降りてきているということである。
前出の馬渕氏によると大相撲記録に残っているなかで中止されたことは今までに1度きりだそうだ。平成23年の3月場所である。中止の理由は八百長事件。平成23年3月といえば東日本大震災の起こったのが平成23年3月11日だ!
科学的根拠に基づく因果関係などない。偶然の一致なのである。が、、、
今まで続けてきた大相撲をたった一度中止した。しかも理由は八百長事件。神々が土俵に降りて来られなかった怒りなのかと思わせる。いや、たぶんそうだろう。
八角理事長の千秋楽の挨拶は無事に大相撲が行われ感無量であったに違いない。

まだまだチャイナ肺炎による影響は長引くが大相撲はそれでも行われるだろう、いや、たとえ無観客で収入がなくても大相撲は続けなければならないのである。だって神様たちが楽しみにしているんだもん。

そしてその覚悟は日本相撲協会にはできている。

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