ブログ「燃料は好奇心」

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子供のように好奇心を持ち続ける男が綴るよもやま話。
山下政治の感性のアンテナがさまざまなものをキャッチします。

痛風だ〜!

2020.05.14

多分今から23〜4年前ごろだったと思う。前日ゴルフをプレーして翌日ポートランドからインディアナポリスへ出張した時だ。その日はホテルにチェックインして翌朝取引先へ打ち合わせに行く。朝目覚めてベッドから起き上がり床に足をついた途端左足のかかとに細〜い針で突かれたのではないかという違和感を感じた。「あれ?」と思っただけでその後痛みはなくなった。「多分昨日ゴルフして足でも挫いていたのかな」程度と思った。レンタカーに乗り取引先の工場の駐車場に車を駐車し降りた時にまた、「あれ?」と左足。今度は痛い!「昨日のゴルフで5番アイアンで思いっきりダフったのでその時に足挫いちゃったな」という感じで足首をグルグル回しているうちに痛みはなくなった。
名刺交換して打ち合わせに入り椅子に座って大きなテーブル越しに打ち合わせを行い、終了後席を立とうとしたら「おっと!」とまた左足。
取引先の担当者:「どうしました?」
ボク:「昨日ゴルフして挫いちゃったみたいで、、、」
その後家に帰ってからは左足首の激痛が続いたがそのうちにケロっと痛みがなくなり元どおり。

思えばこれが始まりでした。その後だいたい毎年7月と12月になると左足首に激痛。それでも海外出張含め色々なところに行って仕事はしていたものだ。医者にも行ってレントゲン撮ったり血液検査したり。ところが医者もよくわからずリウマチかも知れませんね、とか言われながらも我慢していると治ってしまう。
ずいぶん後になって、ん〜〜、今から10年ほど前だったと思うけどベトナムで激痛に見舞われ医者に行かされた。行かされたと言うのは行かなくてもそのうち治るからいいよ、と言ったのだが行かされた。本当はベトナムの医者には掛かりたくなかったのが理由だったのだけど。スクーターの後ろに乗らされてガタガタ道を走る。ガタガタするたびに左足首は痛い!医者に行ったら診察もせずボクの歩く姿を見て、「あっ、これ痛風」と一言。明日の朝には治るから、と左右のおしりに注射を打たれた!何の注射だったのかわからないのだが翌日は痛くない!アメリカの医者はこの痛みが不明だったがベトナムの医者は歩く姿を見ただけで痛風と診断し、それ以降痛風なんだと認識した。この医者は米国ウィスコンシン大学の医学部を卒業した卒業証明者が待合室に飾ってあったので優秀な医者なのだろう。

3年前に何度目か数えていないが痛風の発作に見舞われなんと3ヶ月間ベッドに寝たきりになった。その時は左足首、右アキレス腱、右親指の付け根、左右の両膝、左ひじと左手首合計7箇所同時多発痛風発作で動けなくなった。さすがにこの時を境に日本の専門医のところで治療を始め、現在治療中。

この間痛風についてはいろいろと独学で勉強した。痛風は贅沢病だとよく言われるが、痛風のメカニズムを知ると面白い。
アレキサンダー大王、ミケランジェロ、ニュートン、ゲーテなど皆痛風だったと言う。彼らは間違えなく当時としては美味しいものをたらふく食べていただろう。やはり贅沢病かも知れない。しかし皆才能のある人間である。そこで才能のある人間に多いのか、と思えばボクも痛風なのでそれなりの才能があるのかも知れない、なんて痛風の痛みもプラス思考に考えてしまう楽天家。

痛風の原因は尿酸で、プリン体の多い食事をすると尿酸値が上がると一般的に言われている。プリン体の多い食べ物は美味しいものに多いので贅沢病と言われるのだが、ボクは疑問視している。
この尿酸とはいったい何なのか?
尿酸は細胞の代謝に関わっていて、ヒトの体は古くなったDNAを新しいDNAに変えることにより細胞の代謝をし続けている。DNAは二重らせん状の構造をしていてその二重らせんにはアデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、チミン(T)という塩基により成り立っている。アデニン(A)はチミン(T)とペアになりグアニン(G)はシトシン(C)とペアで構成される。どうしてなの?とは聞かないで下さい。それ以上は知りませんので。劣化したDNAはその劣化した部分にDNAの転写塩基であるRNAが補完し、RNAが補完した部分のDNAはらせんから外れる。(RNAはにチミン(T)がなく代わりにウラシル(U)がアデニン(A)とのペアとなる)。この外れたらせんが血液中に入り溶けると尿酸となる。そして新しいDNAがらせん部を補完し細胞が代謝されるのである。その新しいDNAになる原料というか材料がプリン体から造られる。ということでプリン体の多い美味しいものをたくさん食べると痛風になるという伝説が語られているのである。ボクは伝説と理解しているけど。
らせんから外れ血液中に入ったDNAつまり尿酸だが通常は尿として排泄されておしまい。

しかし大量に入ると溶けきらず結晶化する。コップに水を入れ砂糖をいれると砂糖は溶けるけどどんどん砂糖と入れすぎるともはや砂糖は溶けない。これと同じ原理で尿酸が血液中で結晶化する。するとこの結晶化した尿酸は関節部に尿酸結晶してそして付着し堆積する。堆積し続けこれ以上堆積できなくなると尿酸結晶はパラリと剥離され剥離された尿酸結晶は免疫作用で外的異物として認識してしまい白血球がこれを攻撃し痛風という激痛を発症させるのである。
どうだ!痛風とはこのようなメカニズムなのだ!!
痛風の人は細胞の代謝が激しく脳味噌の細胞もどんどん新しくなっているので歳をとっても奇抜なことを考えるので天才なのか、とボク的な考えをしてしまうボクも痛風だ〜!

この尿酸だが尿酸も悪者という訳でもないのである。イタチとかテンとかの哺乳類の尿酸値は0.2mg/dLほど。オラウータンとかゴリラとかの霊長類の哺乳類の尿酸値でも0.5mg/dLほどだそうだ。これに比べヒトの尿酸値は男性で4.0〜7.0mg/dLが正常とされている。ヒトの尿酸値は哺乳類の中では非常に高い。ヒトは尿酸を蓄えることができたのでこれにより寿命が他の哺乳類と比べ格段に長い、ということらしい。

風が吹いただけでも激痛があるので痛風という名前がついたのだが、細胞の代謝が活発なので若々しく天才の可能性があり長寿、という副作用があると考えれば痛風と付き合うのも満更ではないのである!

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